本研究では、被疑者と取調べ官とのやりとりを描写したスクリプト形式の調査票を用いて、大学生と一般国民を対象に、取調べ手法をどのように評価するか、また被疑者特徴がその評価に影響するかを検討した。参加者は、心理学的知見から推奨されている取調べ手法(例えばオープン質問の多い取調べ)を、そうではない手法(例えばクローズド質問の多い取調べ)よりも、肯定的に評価していた。また、被疑者の知的障害の有無が取調べの評価に影響することが示されたが、被疑者の逮捕経験及び元暴力団という特徴は、取調べの評価にあまり影響がみられず、被疑者特徴により取調べの評価への影響が異なることが示唆された。
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