研究課題/領域番号 |
15K17320
|
研究機関 | 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター |
研究代表者 |
蟹江 絢子 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター, 認知行動療法センター, 医員 (40743810)
|
研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
|
キーワード | 曝露反応妨害法 / 強迫性障害 / 家族介入 |
研究実績の概要 |
強迫症(OCD)患者とその家族を対象とし、曝露反応妨害法(ERP)と家族介入プログラムを併用したFamily based ERP program (FERP) の有効性をRCTにより検証することを目的としている。OCD患者は16セッションのERPプログラムを受け、その治療期間中に家族は8セッションの家族介入プログラムに参加するものとする。主要評価をOCD症状の重症度、二次評価項目を家族機能と症状へ巻き込まれとし、ベースラインとの比較によりFERPの有効性を検討する。 平成28年度はランダム化比較試験を開始し、7症例を登録した。試験開始にあたり、ランダム化登録システムの構築、研究チームの再構築を行うとともに、曝露反応妨害法実施者及び評価者に対する研修や情報共有を行い、質の担保を図った。さらに医療者向け研究案内、患者向け研究パンフレットを作成し、国立精神・神経医療研究センター病院精神科医局や関係医療機関に対して研究案内を周知した。通常治療群に登録された1症例については、患者家族よりすぐに治療を受けさせたいという希望があり登録後にドロップアウトとなったが、それ以外の6症例について有害事象は報告されず順調に進んでいる。また全症例において同意取得状況、被験者組み入れの適格性、評価実施の適切性について安全性モニターより評価された。介入群の症例については、全16回のうち無作為に選ばれた2回のセッションに関して、実施担当者のコンピテンス評価とアドヒアランス評価が独立評価者より評価された。介入中の症例については、毎週堀越からスーパーバイズを受けるとともに、実施担当者が相互にコンサルテーションを行っている。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度はランダム化比較試験を開始する予定であったが、当初の予定どおり7症例を登録し、有害事象も報告されていないため。
|
今後の研究の推進方策 |
引き続きランダム化比較試験を進めるが、研究期間内の目標症例数未達成を防ぐため、リクルート方法と実施曜日について方策を講じている。まずリクルート方法については、国立精神・神経医療研究センター病院連携医療機関に対して再度集中的に研究案内を周知する他、沿線の医療機関も案内先候補として検討している。また医師が研究対象者をよりイメージしやすいよう、医師向け研究案内パンフレットにその臨床像についてより具体的な記述を追加する。次に実施曜日については土曜日のプログラム実施を検討中である。研究参加を希望する家族のなかには平日のプログラム参加が困難な家族も見られることから、土曜日にプログラムを実施することで、被験者のリクルートが促進されると考える。 また独立評価者が1名退職したため、新たな独立評価者に対して評価研修を行う。特に、強迫性障害の重症度を評価する半構造化面接 Y-BOCS (Yale Brown Obsesssive Compulsive Scale: Y-BOCS) については、ビデオ研修、模擬評価、評価への陪席を行い、他の独立評価者との一致率を高める。
|
次年度使用額が生じた理由 |
人件費で計上していたが、休みなどがあったため
|
次年度使用額の使用計画 |
人件費に使用予定
|