研究課題
強迫症(OCD)患者とその家族を対象に、曝露反応妨害法 (ERP)を中心とした認知行動療法と家族介入プログラムを併用した Family based ERP program (FERP) の有効性をランダム化比較試験により検証することを目的とした。OCD患者は16セッションの認知行動療法を受け、このうち8セッションは家族プログラムを併用したものを受けた。家族プログラムは強迫症状の改善に有効性が認められたGrunesら (Grunes et al., 2001) のプログラムを参考に開発され、①OCDについて、②ERPについて、③みんなでERPの効果を高める、④コミュニケーションを工夫する、⑤家族の巻き込まれについて知る、⑥巻き込まれに対抗する、⑦目標を設定する、⑧家族で約束を実行する、から構成されている。主要評価は強迫症状の重症度、二次評価項目は家族機能と強迫症状への巻き込まれとし、ベースラインの比較によりFERPプログラムの有効性を検討した。平成28年度に試験を開始し、これまでに13症例を登録した、試験の実施可能性を高めるために目標症例数の再設計や参加対象年齢の変更を行った。さらに被験者の通院への利便性向上のため、都内に共同実施機関を一施設追加した。これらの変更に伴う倫理委員会への申請変更、追加実施施設への新規申請、研究の案内改訂版作成を経て、本研究を継続した。このうち1症例については、通常治療群に割り付け後、すぐに治療をはじめたいという希望がありドロップアウトとなったが、それ以外の12症例において有害事象は報告されず順調に進んでいる。全症例において同意取得状況、被験者組み入れの適格性、評価実施の適切性についてモニタリングを実施した。本研究のプロトコル論文を作成し投稿している段階である。
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Journal of Obsessive-Compulsive and Related Disorders
巻: 15 ページ: 27-33
10.1016/j.jocrd.2017.08.012
http://cbt.ncnp.go.jp/cbt/trial_ocd