1.本研究の目的は香港の小学校における学校を基盤とするカリキュラム開発SBCD(School-Based Curriculum Development)の政策とカリキュラムマネジメントの実態を明らかにすることである。 2.平成29年度には主に香港の二つの事例校を訪問し、調査研究を行った。具体的には、12月に香港十八郷郷事委員会公益社小学校を訪問した。校長とカリキュラム開発担当者、及び教員にインタビューを行った。授業参観し、カリキュラム開発の会議を参与観察した。また、天水囲循道衛理小学校を訪問し、カリキュラム開発主任にインタビューし、カリキュラム開発に関する活動を参与観察した。授業参観し、校長、科目主任、教員にインタビュー調査を実施した。平成29年度は校長、カリキュラム開発主任、科目主任のリーダーシップに焦点を当てて調査し、分析を行った。これらのデータを用いて、研究論文をまとめた。 3.三年間の研究成果をまとめる。平成27年度には、主に、香港の小学校のカリキュラム開発の政策と組織体制に関して、先行研究をまとめて、資料を収集し、分析した。平成28年度には香港のカリキュラム開発の課程主任の仕事内容とリーダーシップに焦点を当てて、インタビューを行い、資料を分析した。平成29年度には、主に校長のリーダーシップ、教員の協働体制、新しいカリキュラムの開発プロセス、カリキュラム改善活動に焦点を当てて研究を行った。 4.三年間の研究を終えて、研究論文2本(単著)、著書2冊(共著)、雑誌論文1本(単著)をまとめた。また、学会で研究成果の発表を行いました。 今まで、OECDのPISA調査で三位以内の好成績を収めた香港のカリキュラム改革制度、カリキュラム開発の組織体制、校長とミドルリーダー(課程主任)の役割を解明した。今まで香港のカリキュラム研究に関する先行研究が皆無の現状を変えて、研究成果を広く発信できたといえる。交付申請書に記載した研究目的を達成したと考えられる。
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