本研究において得られた成果は主に以下の3点にまとめる。中国大陸地区では、現代中国の失業・労働をめぐる課題の多様性と複雑性を明らかにするとともに、就労・自立支援に関する三つのモデルを抽出し、それぞれのモデルの意義と課題を明らかにした。香港と台湾では、NPO・NGO活動が活発であり、多行政部門と民間組織とが連携して就労・自立支援に取り組む実態を明らかになった。特にソーシャルワーカーが個々人に対する精神面のサポートを担いながら、教育者としての役割も大きいことがわかった。さらに、台湾や香港では移民労働者が急増するにつれ、就労支援の対象も移民労働者へとシフトしつつあることが明らかになった。
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