学術的意義は、発達心理学の知見が主流となっている当該分野において、現象学的方法を用い、子どもの時間概念がいかに獲得されるかといった従来の発達観とは異なる視点で、子どもの時間感覚を明らかにした点である。社会的意義は、3歳児保育の独自性を時間性という視点から解明したことで、5歳児に比べて単に発達的に未熟な存在として3歳児を捉えるのではない、3歳児の独自の世界を尊重した保育の実践知を言語化した点である。 3歳児の保育内容の特徴が実践に近い形で整理され、保障されるべき子どもの経験、それを支える保育者の援助の可能性について示すことができた。
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