各地方における小学校教員養成機関が、いかなる理由によって設置されたのか、その際の設置形態がいかなるものであったのかを地域比較によって明らかにしようとした。各地方への資料調査を行ったものの、いずれの府県においても師範学校以外の小学校教員養成機関についての史料は断片的なものであり、まずはそうした資料調査の困難を確認したことが第一に挙げられる。したがって、その後はそうした断片的な史料からいかなる成果を提出できるか、また断片的ではない資料調査はどうあるべきかを考える方向へと進んだ。結果として、府県公報などまとまった史料から、総合的に小学校教員養成の問題を考える必要があると結論づけられた。
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