研究課題/領域番号 |
15K17372
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研究機関 | 自由が丘産能短期大学 |
研究代表者 |
石嶺 ちづる 自由が丘産能短期大学, 能率科, 講師 (80551655)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 統合カリキュラム / 職業への移行 / 後期中等教育 / プログラム・オブ・スタディ |
研究実績の概要 |
アメリカにおける若年者の学校から社会への移行に対する支援施策の展開を、ハイスクールにおける職業に関する教育の改善を中心に明らかにすることを目的に研究を遂行してきた。具体的な研究課題のうち特に①連邦職業教育研究所における研究の変遷と、③Advenced Careerの事例分析を行った。 研究課題①については、特に文献調査を中心に実施し(4~7月)、連邦政策における主要プログラムがテック・プレップからプログラム・オブ・スタディに転換された背景を解明した。特に、1990年代後期におけるカリキュラム開発の議論の焦点を明らかにした。その成果を日本教育制度学会第23回大会で報告し、関連分野の研究者と結果について協議を行った。 その後、研究課題②政策転換の初期の政策立案に大きな影響を与えたブランドの職業教育改革理念の解明に関する研究成果と合わせて、論文にまとめ公表する準備を進めている(現在審査中)。 研究課題③については、文献等の資料による調査(8月)を踏まえて、事例を選定し、9月に南部地域教育連盟本部でのプログラム全体の実施状況に対するヒアリング調査と、ケンタッキー州における実践のフィールドワークを実施した。ケンタッキー州におけるフィールド調査では、製造業・情報産業・医療情報科学分野のカリキュラム開発の実施状況を明らかにした。フィールド調査から、各実践校における取組の工夫や課題が明らかになった。その成果を、日本産業教育学会第56回大会で報告し、結果について関連分野の研究者と協議を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究課題①については、現地調査を実施する代わりに、文献調査によって特に1990年代後半のカリキュラム開発に対する連邦職業教育研究所の活動の実態を明らかにすることができた。具体的には、職業教育カリキュラムの開発におけるアカデミックなスタンダードと、職業技能スタンダードの活用に関する連邦職業教育研究所の見解を解明した。 研究課題③については、Linked Learningの現地調査ではなく、Advanced Careerに関する現地調査を実施し、事例の分析を行うことができた。 研究課題①③については、日本教育制度学会第23回大会および日本産業教育学会第56回大会で研究成果をそれぞれ報告し、関連分野の研究者と結果について協議することができた。 研究課題②については、これまでの研究成果を本年度に実施した研究課題①の研究成果と合わせて論文にまとめ、成果を公開する準備が整っている。現在、論文掲載のための審査が進行しており、平成28年度中には成果が公開できる予定である。
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今後の研究の推進方策 |
平成28年度には、平成27年度に実施することができなかった現地調査を中心に実施する。具体的には、カリフォルニア調査とワシントンD.C.調査を実施する。カリフォルニア調査では、研究課題①③の解決に係る現地調査を行う。研究課題①については、1990年代に連邦職業教育研究所が置かれたカリフォルニア大学バークリー校で、当時の関係者に対するヒアリング調査を実施する。研究課題③については、Linked Learningの実施状況に関するフィールド調査を実施する。具体的な事例の選定については、プログラム実施機関であるコネクトエデュの協力を得ることとする。コネクトエデュとはこれまでの研究ですでに連携を取っており、協力を得ることは可能である。 ワシントンD.C.調査では、研究課題②に関するヒアリング調査および連邦議会図書館での資料収集を実施する。
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次年度使用額が生じた理由 |
短期(5日程度)の渡米調査を2度に分けて実施する予定であったが、長期(10日)の渡米調査に一本化して実施した。そのため、次年度に繰り越す助成金が発生した。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度に実施する渡米調査の費用にあて、特にカリフォルニア調査を7日程度実施できるようにする。
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