研究課題/領域番号 |
15K17372
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研究機関 | 国際学院埼玉短期大学 |
研究代表者 |
石嶺 ちづる 国際学院埼玉短期大学, 幼児保育学科, 講師(移行) (80551655)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 統合カリキュラム / 職業への移行 / 後期中等教育 / アメリカ |
研究実績の概要 |
アメリカにおける若年者の学校から職業への移行に対する支援施策の展開を、ハイスクールにおける職業に関する教育の改善を中心に 明らかにすることを目的に研究を遂行している。特に、1990年代以降の職業教育改革の実践・研究・政策の相互の影響に着目して検討している。具体的な研究課題のうち、③Advanced Careerおよび関連する事例分析を実施し、一定の成果を得た。本年度は、特にAdvanced Careerの親プログラムであるHigh Schools That Workのプログラム改善(renewal)に関する調査と、Advanced Careerに関する実地調査を実施した。High Schools That Workの改善(renewal)については、2017年9月に、当該プログラムの実施機関である南部地域教育連盟本部(ジョージア州アトランタ)を訪問し、プログラムの統括責任者へのヒアリング調査とAdvanced Careerに関する資料取集を行った。また、Advanced Careerについては、ウェスト・ヴァージニア州における実践を調査し、州レベルでの取り組みの実態を明らかにした。 その中で、現在アメリカの職業教育改革を牽引する教育機関であるテック・センターの実態を解明することができた。さらに、州教育省の政策についても資料を収集することができた。 また、Advanced Careerについて、前年度までの研究成果および9月調査の結果を踏まえて学会大会(日本産業教育学会第58回大会および日本教育制度学会第25回大会)で報告 し、参加者と協議を行った。なお、研究課題①連邦職業教育研究所における研究の変遷については、文献の収集および精査を行い、1990年代以降の連邦施策の展開についてまとめた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
南部地域教育連盟およびAdvanced Careerを事例として、研究課題①③について有益な研究的知見を得ることができた。特に、連邦施策を牽引する取り組みを行ってきた南部地域教育連盟において、改革を加速する施策改善の取り組みがなされていることが明らかにできたことは、大きな成果であったといえる。また、現在アメリカにおいて職業教育改革を牽引する教育機関であるテックセンターの実態調査を行ったことも平成29年度の成果である。 一方で、研究課題①③に関して、カリフォルニア調査を予定していたが、南部地域教育連盟の取り組みおよびAdvanced Careerの実態解明に予定以上の時間を要することが明らかになったため、平成29年度にはこれらの機関およびプログラムの分析を優先した。
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今後の研究の推進方策 |
平成30年度は最終年度であるため、年度の前半に残されているカリフォルニア調査を行い、研究課題①③の解決に注力する。研究課題①については、1990年代に連邦職業教育研究所が置かれたカリフォルニア大学バークリー校で、当時の関係者にヒアリング調査を実施する。研究課題③については、Linked Learningの実施状況に関するフィールド調査行う。具体的な事例の選定についてはプログラムの実施機関であるコネクトエデュの協力を得る。 年度の後半にはこれまでの研究成果をまとめ学会発表および論文投稿を通じて研究成果を公開する。
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次年度使用額が生じた理由 |
平成29年度に予定していたカリフォルニア調査が実施できなかったため、次年度使用額が生じた。カリフォルニア調査が実施できなかった理由として、研究代表者が所属研究機関異動となったため、2018年2月に実施を計画していたカリフォルニア調査を実施することができなかった。また、2017年9月の調査は他の科研費研究課題(16H03791)にかかる調査と合わせて実施しため、本科研費からの旅費支出が抑えられた。 次年度は、年度の前半にカリフォルニア調査を実施し、研究の遂行に支障を来さないようにする。また、平成30年度は最終年度であり、これまでの成果を学会等で報告し広く公開する必要があるが、所属研究機関の変更に伴い学会・研究会への参加費が当初の計画以上に必要となるため、次年度使用額を当てることとする。
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