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2016 年度 実施状況報告書

継続教育の出発点としての現代職業系専門高校に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 15K17378
研究機関早稲田大学

研究代表者

中西 啓喜  早稲田大学, 人間科学学術院, 助教 (10743734)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2018-03-31
キーワード教育社会学
研究実績の概要

2016年度には、西日本と東日本の工業高校2校において質問紙調査を実施した。収集した量的データを集計するとともに、データの解釈についての質的調査も追加的に実施した。データ分析の結果報告を2つの学会大会で行っており、そのうち1つは国際学会である。国内外の学会において報告した内容は、次の通りである。
日本の高校生の進路選択は、〈高校間の格差構造〉を中心に議論されてきた。簡素化しつつ具体的にいえば、普通科高校に所属する生徒は大学等へ進学を希望し、職業系専門高校に所属する生徒は就職を希望する、という具合である。こうした高校間の格差構造による進路分化システムを、日本の教育社会学ではトラッキングとしてとらえることで、学校教育制度が教育達成の不平等を生成するメカニズムを説明しようとしてきた。
しかし、大学等進学率の上昇を背景に、職業系専門高校からの進学希望者も増加してきた。本研究課題では、これを〈高校内の格差構造〉に焦点を当てて分析を展開した。すなわち、トラッキングシステムが、より細分化された現状があるのではないか、という仮説を検証したのである。
こうした分析テーマを踏まえ、近年の職業系専門高校では進学希望者へ対応した小学科を準備されており、高校内における「制度的な」分化システムが登場し始めていることが明らかにされた。今後は、農業高校へも分析対象を広げて研究を継続していくことを見込んでいる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

当初の研究計画では、研究期間3年目に分析結果を調査対象校に報告に行く予定であった。しかし、分析報告も2年目に完了させたことにより、3年目には調査校の同窓会を通じた調査の可能性が見込まれている。それゆえに、本研究課題では高校生調査に留まらず、卒業生の動向についても探ることを検討している。

今後の研究の推進方策

本研究課題では、中等職業教育における継続教育の可能性を検討しているわけだが、2年間の調査において農業教育への関心が深まってきた。そこで2017年度には、工業高校を継続的に調査するとともに、農業高校の調査も視野に入れた研究を計画している。

次年度使用額が生じた理由

本研究課題を遂行するなかで、中等職業教育の1つとして農業高校における継続教育を検討する重要性が浮かび上がりつつある。そこで、農業経営者の育成に力を注いでいる農業高校および農業大学校へ訪問するための経費が必要となる。

次年度使用額の使用計画

中等職業教育の展望を探るため、農業経営者の育成に力を注いでいる農業高校および農業大学校へ訪問し、農業教育の現状を把握するための聞き取り調査を実施する。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2016

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] The Present Situation of Vocational High School in Japan: Focusing on the transition from Terminal Education to Further Education2016

    • 著者名/発表者名
      Hiroki Nakanishi
    • 学会等名
      Asia-Pacific Educational Research Association-Taiwan Education Research Association 2016
    • 発表場所
      National Sun Yat-sen University
    • 年月日
      2016-11-09 – 2016-11-13
  • [学会発表] 職業系専門高校における進路形成-学校内格差に着目して-2016

    • 著者名/発表者名
      中西啓喜
    • 学会等名
      日本教育学会第75回大会
    • 発表場所
      北海道大学
    • 年月日
      2016-08-24 – 2016-08-25

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公開日: 2018-01-16  

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