本研究は、中等職業教育機関としての性格が曖昧となった現代日本の職業系専門高校を対象として、継続教育の出発点としての機能の限界と可能性を探ることが目的である。本研究によって明らかになったのは、次の通りである。第一に、専門高校は高校内部で小学科ごとにより細分化して検討すべきだということである。第二に、とりわけ農業高校においては、中等職業教育と職業生活との関連はより長期的に検討するべきであることが明らかになった。それというのも、農業従事者の親は子どもに18歳時点での就農を期待しておらず、生徒は継続教育機関として大学農学部だけでなく農業大学校も射程に入れ、その後の就農を検討しているからである。
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