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2016 年度 実施状況報告書

授業研究の国際的な伝播と循環のポリティクス:教育借用理論の再構築

研究課題

研究課題/領域番号 15K17382
研究機関名古屋大学

研究代表者

荻巣 崇世  名古屋大学, 国際開発研究科, 学術研究員 (00743775)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2019-03-31
キーワード授業研究 / 教育借用 / 教育の国際化
研究実績の概要

二年目となる平成28年度は、①昨年度収集した文献のレビューとカテゴリー化、②聞き取り調査の準備・実施に加えて、③教育借用モデルの構築・精緻化、④研究成果の発表をおこなった。
①文献のレビューとカテゴリー化に関しては、昨年度収集した授業研究に関する文献のレビューを終え、コーディングを繰り返してコードの最終化をおこなった。①と並行して②聞き取り調査の準備をおこない、学会等の機会を利用して協力者を募った結果、日本、アメリカ、スイス、フィリピン、カンボジア、インドネシアの6カ国から参加者を得ることができた。28年度はスイス、アメリカ、フィリピンの3カ国で聞き取り調査を実施した。③教育借用モデルの構築・精緻化は、始めたばかりであるものの、④学会発表(日本比較教育学会、世界授業研究会、学びの共同体世界会議、北米比較教育学会)を通して世界の研究者と議論し有益なコメントを得ることができた。
三年目となる平成29年度は、(1)日本、カンボジア、インドネシアの3カ国での聞き取り調査を実施し、(2)文献レビューと聞き取り調査の結果を擦り合わせて教育借用モデルの構築・精緻化をおこなうとともに、(3)論文の執筆を通した研究成果の発表をおこなう。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

平成28年度に計画していた①昨年度収集した文献のレビューとカテゴリー化、②聞き取り調査の準備・実施に加えて、③教育借用モデルの構築・精緻化、④研究成果の発表に関して、全体としては、②聞き取り調査の対象国などに変更が生じたところも若干あるものの、当初の計画の通りおおむね順調に進展している。
②聞き取り調査の対象国については、当初、日本、アメリカ、タイ、フィリピン、カンボジア、インドネシアの6カ国を予定していたが、タイの代わりにスイスを対象に入れることとした。8月に参加した世界授業研究会においてスイスの授業研究事例について学び、スイスの事例は以下の二点においてタイの事例よりも本研究の目的にふさわしいと判断した。(1)当初予定していた対象国6カ国中、東南アジアが4カ国を占めるのに対して、ヨーロッパが入っていないこと。また、先行研究のレビューでもヨーロッパの授業研究についての論文が少ないことが判明していた。(2)スイスでは教員養成機関を中心とした自発的な動きとして授業研究がおこなわれており、タイヤインドネシアのような上からの授業研究とは異なる事例と考えられる。
以上の変更により、28年度中に聞き取り調査を実施できたのはアメリカ、スイス、フィリピンの3カ国のみであった。

今後の研究の推進方策

三年目となる平成29年度は、(1)日本、カンボジア、インドネシアの3カ国での聞き取り調査を実施し、(2)文献レビューと聞き取り調査の結果を擦り合わせて教育借用モデルの構築・精緻化をおこなうとともに、(3)論文の執筆を通した研究成果の発表をおこなう。
(1)聞き取り調査の実施 聞き取り調査は、スイス・アメリカ・フィリピンで28年度に用いた質問票を基本として実施する。各国・各実施機関の違いも明らかにできるよう、個別の事例に応じて質問事項を調整する。特に、日本における聞き取りでは、「貸し手」側の動機や背景などのポリティクスを炙り出せるよう、質問票を工夫するとともに立場の異なるアクターを対象とする。
(2)教育借用モデルの構築・精緻化 28年度中に構想した理論モデルを、聞き取り調査の結果と擦り合わせて精緻化し、最終化する。
(3)研究成果の発表 28年度は複数の学会で口頭での成果発表をおこなったので、29年度は論文の執筆・投稿による成果の発表をおこなう。日本比較教育学会の『比較教育学研究』、北米比較教育学会の『Compare』の二誌への投稿を予定している。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2017 2016

すべて 学会発表 (4件) (うち国際学会 3件)

  • [学会発表] Theorizing Traveling Reforms Global circulation of “the Japanese lesson study model”2017

    • 著者名/発表者名
      Takayo Ogisu
    • 学会等名
      Comparative and International Education Society
    • 発表場所
      Sheraton Atlanta
    • 年月日
      2017-03-05 – 2017-03-09
    • 国際学会
  • [学会発表] Theorizing Teacher Learningthrough Collaboration2016

    • 著者名/発表者名
      Takayo Ogisu
    • 学会等名
      4th International Conference of School as Learning community
    • 発表場所
      北京師範大学
    • 年月日
      2016-10-28
    • 国際学会
  • [学会発表] The Global Circulation of Lesson Study and Its Impact on the Japanese DiscourseMeta Analysis of Japanese Literature on Lesson Study2016

    • 著者名/発表者名
      Takayo Ogisu
    • 学会等名
      World Association for Lesson Study
    • 発表場所
      University of Exeter
    • 年月日
      2016-09-04
    • 国際学会
  • [学会発表] 授業研究の国際的な伝播と循環のポリティクス~先行研究のマッピングの結果を中心に~2016

    • 著者名/発表者名
      荻巣崇世
    • 学会等名
      日本比較教育学会
    • 発表場所
      大阪大学
    • 年月日
      2016-06-25 – 2016-06-27

URL: 

公開日: 2018-01-16  

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