研究課題/領域番号 |
15K17386
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研究機関 | 和光大学 |
研究代表者 |
湯川 やよい 和光大学, 現代人間学部, 研究員 (20723365)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | ハラスメント / マイノリティ / 非伝統的セクター / 問題経験 / ジェンダー / セクシュアリティ / ナラティヴ |
研究実績の概要 |
ハラスメントの構造的背景を非伝統的なマイノリティメンバーの視点から明らかにすることを目的に、質的調査、およびマイノリティの問題経験の主題化についての文献研究を行った。 まず、調査部分にかんして、当初の計画では、①関係者の意味世界の探求(個別ケースの聞き取り)、②社会的現実の記述(プロジェクトでの観察)を併行的に実施する予定であったが、②について協力者側の状況変化やラポール関係の質的変化等によりその遂行が困難となったため、①を中心に実施した。その結果、協働する研究者たちの士気やコミュニケーション上の課題が、組織特性に直接的に依存しない外部の諸環境・評価体系との繊細な相互影響関係の中で認識されている状況が、論点として析出された。聞き取りから浮かび上がった点は、既存研究では見られなかった新しい知見といえる。この知見を、関連する共同研究のデータとあわせた形で暫定的に分析し、研究会で報告した。 また、文献研究にかんしては、上記の分析過程において、マイノリティの問題経験の言語化をめぐるより包括的な理論動向を把握する重要性が判明したため、当初予定していたレビュー文献の範囲を広げ、マイノリティ学生論に限定しないより一般的な理論枠組み(マイノリティの承認論や非対称な関係をめぐるナラティヴ論一般など)について検討した。検討作業は中途段階であるが、その一部については、方法論上関連する他のジェンダー研究プロジェクトでの成果と合わせて、論文をまとめた(共著書に収録)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
協力者側の状況変化等で、調査研究の一部に変更の必要性が生じたものの、限定的なデータにかんして一定の分析が行えた(なお、後述の通り、今後の研究遂行についても、二次資料等を加える形での対応策を検討済みである)。また理論検討面では当初想定されていた範囲を超えたより汎用性ある文献レビューが実施できた。
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今後の研究の推進方策 |
上述のとおり、調査協力者側の状況変更および関連する一部対象者とのラポール維持の困難が継続しているため、当初の調査予定の一部を変更する。具体的にはH27年度に取得したデータを主軸としつつ、別の対象者への補足的なインタビューを試行し、さらに関連する共同研究調査データ、および一部対象者からの提供が見込まれる二次資料を分析に加えることで、状況変更への対応策としたい。また、データ分析作業だけでなく、背景文脈の解釈部分についても関連諸領域の専門研究者からのアドバイスを積極的に受けることにより、年度内での議論の精緻化を目指す。なお、H27年度に新たに重要性が確認されたマイノリティの問題経験論や方法論上の論点についても、引き続き理論検討を進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
調査計画に変更が生じたため。
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次年度使用額の使用計画 |
インタビュー調査(主に「その他」に計上)、論文校閲(「その他」に計上)、資料・文献収集と検討(「その他」「物品」に計上)、修正された研究計画にもとづくデータ再考と専門研究者からのアドバイス(主に「国内旅費」に計上)を行う。
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