ハラスメントの構造的背景を非伝統的なマイノリティの視点から明らかにすることを目的に、補足調査と結果のまとめ作業を行った。
補助事業期間を延長した本年度は、主に1)前年度までに終わらなかった箇所の補足調査、2)前年度までに得られたデータを中心とした結果のまとめ作業を行った。 1)補足調査の中では、特に看護領域に特有の問題経験について新しいデータを得ることができた。その点をこれまでの理論的知見とあわせた総説論稿として、発表した。一方、2)のまとめ作業については、必ずしも予定した通りの成果は得られなかった。第1に、前年度掲載にいたらなかった英文論文について、問題設定、使用データの一部、ディスカッションのほぼ全面を見直し、改めての書き直しに挑戦したが、発表に至ることはできなかった。また、関連する共同研究で得られたデータをあわせ事例横断分析を行った結果を和文論文にまとめ投稿し、その後修正再投稿の段階を経たが、最終的な掲載には至らなかった。ただし、その論文成果の一部は、翌年度(30年度)5月の国際学会で報告し、海外研究者から貴重なアドバイアスを得ることはできた。
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