研究課題
若手研究(B)
日本社会における高校卒業後の進路を規定する要因を、高校生とその母親を対象とする質問紙調査を通じて検討した。明らかとなった主要な知見は、(1)母親は学歴が高いほど教育効果を高く見積もっているということ、(2)その見積もりに反映されているのは母親本人の生涯所得ではなく配偶者の年収や学歴であるということ、(3)教育効果を高く見積もっている母親の子供は大学進学を希望しやすいということである。
教育社会学
本研究が調査対象とした高校生の母親は主に、短大進学が主流だった世代である。そうした世代の母親にとって、大学進学が結果的にどのような意味をもったのかを議論するためのデータを得ることができた。本研究を通じて、女性が高校を卒業した後の進路選択に対して母親の学歴が影響する理由の1つが示された。