本研究は、市場原理に基づく教育改革の成果と変容を、実証的に解明するものである。分析対象としては、先行研究において市場原理に基づく教育改革の代表事例として議論されてきた学校選択制に焦点をあてた。第1は、児童生徒の視点から、義務教育段階において公立学校選択制が実施されている場合、どのような保護者が学校選択を行うのかの検証を行った。第2は、教師の視点から、どのようなタイプの教師が学校選択制に積極的であり、また積極的ではないのかを検証した。第3は、海外の事例として、米国ニューヨーク市における近年のチャータースクールをめぐる研究動向を整理・検討し、新たなタイプの公立学校創設における課題について検討した。
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