研究課題/領域番号 |
15K17391
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研究機関 | 香川大学 |
研究代表者 |
西本 佳代 香川大学, 大学教育基盤センター, 講師 (20536768)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 児童養護施設 / 大学進学 / 自立支援 / インタビュー調査 |
研究実績の概要 |
当初の研究計画では、平成29年度は研究の最終年度であり、①インタビュー調査の分析・発表、②支援策の検討、③報告書の作成、を予定していた。しかしながら、平成28年度に予定してたインタビュー調査が、調査協力者の都合により、充分には実施できなかった。具体的には、就職後間のない調査協力者たちが、職場への適応に労を要し、インタビューに対応する余力がなかったため、当初予定していた人数から話を聞くことができなかった。そのため、平成28年度中に無理をしてインタビュー調査を行うことはせず、平成29年度以降も継続してインタビュー調査を行うこととした。それに伴い、研究期間も一年延長し、平成30年度を最終年度として、当該年度に①インタビュー調査の分析・発表、②支援策の検討、③報告書の作成を行うことにした。 平成29年度は、継続してインタビュー調査を行うと共に、これまでにインタビュー調査に協力してくれた児童養護施設入所経験者の語りの分析を行った。分析の結果、「自立」という目標を重視するあまり、周囲の人間に相談できないという状況に陥っている入所経験者もいることが明らかになった。「自立」を「他人に迷惑をかけないこと」と同義に捉えると、周囲の人間に頼ることはできない。「自立」の概念についても検討を続ける必要性が確認できた。なお、それら分析結果の詳細は、「教育学の視点から捉える社会的養護」日本子ども社会学会第24回大会テーマセッション報告(「子どもと社会的養護」パネリスト)、「若者支援について―支援者がつながる」(高松市若者支援協議会講演)、「教育学の視点から捉える社会的養護」『子ども社会研究』24巻、2018、として報告・掲載されている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
平成28年度に予定してたインタビュー調査が、調査協力者の都合により、充分には実施できなかったため、平成29年度計画が遅れることになった。具体的には、平成28年度に予定していたインタビュー調査を、平成29年度以降も継続して行い、平成29年度に予定していた、①インタビュー調査の分析・発表、②支援策の検討、③報告書の作成、を研究期間を一年延長して、平成30年度に行うこととした。なお、延長申請が認められたことにより、平成30年度末までには当初の研究計画は問題なく終了するものと考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
平成30年度は、研究の総括を行う。これまでに聞いてきた、大学を卒業した児童養護施設入所経験者の語りを整理し、彼らを対象とした支援策を検討すると共に、検討結果を報告書としてまとめる。
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次年度使用額が生じた理由 |
平成28年度に予定していたインタビュー調査を、調査協力者の都合で実施できなかったため、平成29年度以降も継続して行うと共に、補助事業延長申請を行った。平成30年度については、当初平成29年度に予定していた、①インタビュー調査の分析・発表、②支援策の検討、③報告書の作成、を行う。助成金は、①~③を遂行するための、書籍購入費、旅費、印刷費等として用いる。
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