• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2016 年度 実績報告書

言文一致運動の中にみる明治・大正・昭和初期の古典教育論形成過程に関する実証的研究

研究課題

研究課題/領域番号 15K17392
研究機関北海道教育大学

研究代表者

菊野 雅之  北海道教育大学, 教育学部, 准教授 (90549213)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2017-03-31
キーワード近代教育史 / 古典教育史 / 国語科教育学 / 教材研究 / 平家物語 / カノンの形成 / 言文一致運動 / 教科書研究
研究実績の概要

最終年度のH28年度には、本研究の成果を博士論文「近代古典教育の成立と展開」として提出を行い、博士論文として認められた。本研究の成果を端的にまとめると、明治期における中等国語読本の形成過程の一端を明らかにしたことと、それぞれの読本への編者の文体(文範)意識を明らかにしつつ、当時における古典の教材性の在り方を解明したことが挙げられる。また、教材研究と国文学研究の交差の実践、古典を読む機能としての「他者性」の可能性の提示、国文学研究からも教材研究からも注目されてこなかった新たな読みの提示などに至ったことが挙げられよう。さらに、近代国語科育史研究における未発掘史料の紹介とその解題を作成することができた。
普通文に対する文範性を根拠として古典教育が成立していた時期を古典教材観の形成期前期、言文一致運動が完成し、古典から文範性が喪失していった時期を古典教材観の形成期後期と仮に呼ぶとするなら、明治30年代までが前期、それ以降の明治・大正期が後期に当たるだろう。本研究第一部は前期から後期に移行しようとする過渡期に当たる落合読本を論じたところで稿を閉じた。後期に関する議論は残されたままである。後期は古典から文範性が喪失し、国民性の涵養といった意義が古典教育に付与されることとなるわけだが、文範性が喪失した時代というくくりで言えば、後期の議論は現代にもつながっていく。
国語科教育のカリキュラムとしての「古典」の成立は昭和6年の中学校教授要目に求められる。本研究はそこへ至る大正・昭和初期の過程を叙述するに至っていない。本研究最大の課題は、この後の時代における古典教育の展開を丹念に追うことである。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2017 2016

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 近代古典教育の成立と展開2016

    • 著者名/発表者名
      菊野雅之
    • 雑誌名

      早稲田大学大学院教育学研究科学位論文(教育学)

      巻: - ページ: -

    • 査読あり
  • [図書] 子どもの”総合的な能力”の育成と生きる力2017

    • 著者名/発表者名
      玉井康之・北海道教育大学釧路校教師教育研究会
    • 総ページ数
      268
    • 出版者
      北樹出版

URL: 

公開日: 2018-01-16  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi