本研究は、アジアにおいて急速に多文化化が進展している現状を受けて、各国がその多文化共生に向けて、いかなる教育を模索しているのか、その成果と課題について探究するための基礎的な調査を目的として行った。その結果、愛国心やナショナル・アイデンティティの高揚を重視する傾向の強い韓国が取り組む多文化教育には、現代日本や欧米が目指す多文化共生との間に乖離、あるいは矛盾をはらんでいる可能性があることがわかった。 したがって、韓国との共生が極めて重要な課題である日本にとっても、韓国における多文化教育の取り組みに焦点化して、より詳しく調査していく必要があるという、新たな研究課題を見いだした。
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