本研究の目的は、「教職ボランティア活動」を通した循環型教員養成モデルを構築することである。調査研究では、伊勢崎市(群馬県)と協定を結ぶ大学とが「互恵的連携」を目指す中で設立された教職ボランティアチューター制度を対象とし、教職ボランティア活動に参加した学生からデータを収集し、本活動の意義や学生の体験の深化のプロセスについて、ボランティア活動における認知発達の先行研究や「省察」概念をもとに検証した。その結果、多くの学生のうちに、「教えられる存在」から「教える存在」になるという自己認識が生成され、子どもたちと実践者集団としての教員との連携を模索する意識(=教育的公共性への意識)の芽生えが見られた。
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