研究課題/領域番号 |
15K17426
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
石川 衣紀 長崎大学, 教育学部, 准教授 (80584010)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 特別教育史 / 障害者問題史 / 特別学級編制 |
研究実績の概要 |
前年度に続き、国内における「特別教育史」「障害者問題史」を対象領域とした研究動向の把握を行なっている。研究計画全体の基礎的作業として位置づくものである。 あわせて大阪市内の小学校2校において戦前期の特別学級に関する史料調査を実施した。主に学校沿革史に関する史料を調査し、特別学級の開設時期や担任教員の異動状況について把握を行なった。 また戦前の東京市・大阪市における多様な困難をもつ子どもの特別学級編制について児童の実態と教育実践の比較研究を行い、口頭発表を行なった。東京市と大阪市の特別学級編制における共通項として、①学業不振のほか、学習意欲、心身の健康、家庭生活において困難を抱えた児童が多く在籍していたため、遊戯化、児童の関心に即した内容、課題の軽減などの多様な方法によって学力回復・促進が図られていたこと、②個別指導が多く取り入れられていること、③「寛大さ」「根気」に重点を置いた指導、生活指導や栄養面での配慮など、児童の心身の状態に応じて、学力促進以外にも多様な特別な教育的配慮が実施されていたことのを明らかにした。 さらに、特別な教育的配慮の先駆的取り組みがなされている海外諸国(スウェーデン・エストニア・フィンランド)へ訪問調査を行なった。その研究成果として、スウェーデンの子ども病院におけるホスピタルプレイセラピーについて論文投稿および学会発表を、エストニアの「子どもの心の健康センター」における児童青年精神医学の実施内容について学会発表を行なった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
計画的な史料収集と分析が行なえていないことによる。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き研究動向にかかる文献レビューを行ないながら、史料収集と学会発表・論文投稿へ作業量を充足させていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究計画に遅れが生じたことにより、使用額が予定を下回っているため。
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次年度使用額の使用計画 |
史料収集旅費、学会発表旅費、論文投稿費として使用する。
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