研究実績の概要 |
パラフェルミオンが出現するトポロジカル超伝導体において、検出方法の提案およびパラフェルミオンの制御方法を模索を行なっている。平成30年度は以下のような研究を行なった。 (1)パラフェルミオンの1種であるマヨラナフェルミオンに量子ドットを接合し、AC電場によって検出する方法を提案した。ケルディッシュグリーン関数法を用いた理論的な解析によってマヨラナフェルミオンの検出方法の理論的検証を行った。 トポロジカル超伝導体がclass Dの時とclass BDIの時の検出結果の比較を行った。 (2)電気二重層電極などを用いて、遷移金属ダイカルコゲナイド中の電子間相互作用を操作した場合、パラフェルミオンを制御できるかを議論した。イオン液体ゲートトランジスタのデバイスシミュレーターを開発するため、ドリフト拡散方程式とポアソン方程式を用いた理論モデルの構築を行った。イオン液体の分布と金属電極ー半導体接合を取り入れた理論モデルを考案し、イオン液体ゲートを用いた遷移金属ダイカルコゲナイドトランジスタのデバイスシミュレータの開発に世界で初めて成功した。開発したシミュレータを用いて、両極性やpn接合の形成のなどの性質を再現することに成功した。また、導出した電荷分布、バンド分布などを用いてイオン液体ゲートWSe2トランジスタが両極性を示すメカニズムを明らかにした。研究成果を応用物理学会, IBMワトソン研究所, ニューヨーク大学で講演し、論文を投稿した(現在査読中)。
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