次世代半導体材料として期待されているグラフェンについて、原子レベルで精密に構造を制御した異種原子ドーピングを目的に研究を行った。エネルギーを制御した中性粒子ビームを用いて窒素ドープグラフェンの合成を行った。照射するエネルギーが増加すると炭素窒素間の結合は単結合から二重結合に移行することを見出し、結合場所は端部から面内に変わることを見出した。さらに選択的に窒素をドーピングしたグラフェンは燃料電池における酸素還元反応において触媒作用があることを実証し、グラフェン面内に存在するグラフィティック型窒素が効果的な酸素還元に寄与することを明らかにした。
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