生物の脳は,多数の神経細胞が精密に配線された回路網である.あまりの複雑さゆえ,この回路網が脳システムとしての機能を実現する原理はいまだ多くが理解されていないが,回路機能をシャーレ内で再構成することができれば,これを解析するための新しいモデル実験系を創成することができる.本研究課題では,半導体技術を応用して細胞外基質タンパク質をパターン転写した基板を用いて生きた神経細胞による自己組織的な回路形成を誘導することで,生体内での機能を模倣した神経回路を培養系に再構成することを目指した.並行して,多点電極デバイスを用いた神経活動計測を高感度化するための,新しい信号増強法の開発に取り組んだ.
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