本研究では、柔らかさと分子設計の多様性に利がある有機分子半導体薄膜をチャネルとした有機電界効果トランジスタ(OFET)について、マクロな輸送特性に影響を与える、界面・欠陥近傍のミクロな電子状態を、研究代表者らが開発した3次元走査型光電子顕微分光装置「3D nano-ESCA」を使って解明した。 チオフェン系誘導体「C10-DNBDT-NW」を使ったOFETについて、炭素の内殻ピークシフトが化学ポテンシャルを反映していることを確かめた。ピークシフトの空間変化でポテンシャルマッピングを行ったところ、電極/チャネル接合界面での電荷トラップの存在や移動度が異なるドメインの存在を示唆する成果が得られた。
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