気体雰囲気中で原子分解能観察ができる環境制御・透過電子顕微鏡(E-TEM)を利用することで、ナノスケールの空隙を持つ金属電極(ナノギャップ電極)における気体反応機構を解明した。電極間をトンネルする電子と気体分子の相互作用により、電極表面に電界蒸発や動的ナノ構造体形成といった様々な原子・分子ダイナミクスが誘起された。さらに、電子線ホログラフィ法を用いることで、電圧印加時の金ナノギャップ電極間に形成される局所的な電界分布を直接可視化した。これにより、気体種やトンネル電流に依らず電界が形成され、電極表面の構造変化を誘起することが明らかとなった。
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