研究課題/領域番号 |
15K17470
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研究機関 | 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構 |
研究代表者 |
簑原 誠人 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 物質構造科学研究所, 特別助教 (70728633)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 酸化物界面 |
研究実績の概要 |
酸化物半導体における表面電子状態の精密制御は、表面の機能を利用したガスセンサなどの電子デバイス、および触媒の機能を向上させる上で必要不可欠な技術である。本研究では、電荷不連続性の精密制御および界面歪み印加(界面エンジニアリング)を行った酸化物薄膜の表面電子状態を光電子分光測定により直接決定する。これにより、界面構造とそれにより誘起される表面電子状態との相関関係を特定し、その知見に基づいた酸化物半導体の仕事関数変調方法を確立することを目的とする。 初年度では、界面構造を制御したTiO2薄膜/LaAlO3基板ヘテロ構造を作製し、TiO2薄膜の表面電子状態および内部電場について光電子分光測定を用いて詳細に調べることに取り組んだ。しかしながら、ワイドバンドギャップであるLaAlO3基板は絶縁性が高く、光電子分光測定が困難であることがわかった。そこで研究対象を見直し、界面構造を制御したLaFeO3薄膜/SrTiO3基板ヘテロ構造を作製し、光電子分光測定を行った。その結果、界面の終端構造の違いによって、LaFeO3薄膜の電子状態が大きく変化した。このことは、界面構造制御によって表面電子状態が制御されていることを意味している。次年度では、この界面構造をさらに制御するとともに、界面構造制御技術を他の酸化物界面へ展開することで、仕事関数変調方法の確立を目指す。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
仕事関数を評価するために、光電子分光測定を進めていたが、参照物質でさえも正しい測定値が得られないことがわかった。この原因を調査したところ、予期せぬ電場の影響が生じていることが明らかとなり、その対策を進めている。
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今後の研究の推進方策 |
まず装置の改良を行い、正しく仕事関数測定ができるようにする。得られた仕事関数測定結果をもとに、界面構造制御との相関について、定量的な議論を進めていく。また、他の界面にも展開することで、その普遍性について調べていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
本研究における光電子分光測定装置のハードウェア上の問題点が明らかになったため、当初予定していた物品購入を見送った。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度では、光電子分光装置の改良を行う。具体的には、試料周りの電場の影響が少ない試料固定台座、直線導入器、および電流導入端子などの購入に充てる。
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