液相試料における化学反応ダイナミクスを実時間で計測することができるシステムの開発を行った。フィラメンテーション法により発生したコヒーレントな中赤外光パルスと気体を非線形媒質としたチャープパルス上方変換という手法を用い、200から5500 cm-1まで広がった中赤外光を単一ショット(1 ms)で計測することが可能になった。さらに全反射減衰吸収分光を組み合わせることにより、ミリ秒オーダーで生じる液相試料の化学反応ダイナミクスを実時間で観測することが可能になった。今後、生体分子や錯体などにおける反応過程の詳細な解明に役立つことが期待される。
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