殺菌や化学物質の分解に有効な水酸基ラジカル(OH)の大気圧非平衡プラズマによる高密度多量生成を目的として,本研究では交流電圧を重畳したナノ秒パルス放電における帯電反転制御法を開発し,その活性種(OH,オゾン,窒素酸化物)生成量の計測を行った.本研究の誘電体表面の電荷制御は,その電荷を輸送するナノ秒パルス放電の電流を増加させる効果と,交流電圧駆動の誘電体バリア放電より多くの電荷を誘電体表面に輸送し帯電させる効果であることが分かった.さらに,空気中の窒素・酸素分子の解離により生じるオゾンおよび亜酸化窒素(N2O)の濃度が,この二つの帯電制御効果と連動して起こることを実験的に初めて明らかにした.
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