研究課題
若手研究(B)
X線自由電子レーザー施設SACLAが供給する自由電子レーザーと光学レーザーを用いたポンプ・プローブ計測により、X線を気相の孤立した多原子分子に照射してから数10フェムト秒(1フェムト秒は千兆分の1秒)で完結する超高速反応を観測することに成功した。また、観測した超高速反応の中にも、メカニズムが異なる反応が存在することを明らかにした。
物理化学
X線を気相分子照射して起こる反応の初期段階を、フェムト秒スケールで観測した例はこれまでになかった。X線を生体分子に照射すると放射線損傷と呼ばれる分子の破壊が起こるが、そのメカニズムは解明されていない。放射線損傷を制御できれば、例えば放射線を用いたがん治療を正確に効率よく実施することが可能となる。今回の研究成果を引き金として、放射線損傷機構解明に向けた大きな発展が期待される。