研究課題/領域番号 |
15K17511
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研究機関 | 和歌山大学 |
研究代表者 |
北山 秀隆 和歌山大学, 教育学部, 准教授 (20622567)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | ガロアの逆問題 / ネーター問題 / 不変体有理性問題 |
研究実績の概要 |
ガロアの逆問題への1つのアプローチとして、有理関数体上への有限群の作用による不変体の有理性を考察する問題がEmmy Noetherにより提唱された。種々の 研究手法により詳細な研究が行われているが、一般にはNoether問題は現在も未解決である。本研究課題の目的は、有理関数体への純単項作用による不変体の有理性問題を中心に、独自の手法である“共役類ずらし”の手法も駆使しながら、Noether問題に寄与することである。 平成30年度も、前年度からの継続で、自身の論文“Rationality problem for purely monomial group actions” (Pacific Journal of Mathematics 253巻(2011))の手法をいろいろな場合に適用し、手法を整備拡張する可能性を研究した。この研究に関連するいくつかの成果について、早稲田大学整数論研究集会2018報告集に掲載した。 また、台湾大学のKang,Ming-Chang氏、京都大学の山崎愛一氏、新潟大学の星明考氏との共同で、“Quasi-monomial actions and some 4-dimensional rationality problems”(Journal of Algebra 403巻(2014))を発展させる研究も継続した。この論文は、従来の意味での単項作用の有理性問題や代数的トーラスの有理性問題をともに一般化したような新しい問題“準単項作用の有理性問題”において、係数の条件を付けた上で2次元の場合を完全解決したものである。これを3次元の場合に拡張した論文はKyoto Journal of Mathematicsに掲載決定している。さらに別の共同研究についても共著論文を執筆中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ほぼ計画していた通りに進行している。 星明考氏との共著論文がKyoto Journal of Mathematics誌から出版が決定している。 Kang, Ming-Chang氏、星明考氏、山崎愛一氏との共著論文も執筆中である。
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今後の研究の推進方策 |
現在順調に進展しているので、今後もこの方向で継続して研究を進める。 Kang, Ming-Chang氏、星明考氏、山崎愛一氏のグループとの共同研究も継続し、研究成果の応用も目指す。
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次年度使用額が生じた理由 |
当研究計画は概ね計画通りに進行し満足できる研究成果があったが、最後の成果発表が十分に行えなかった。研究代表者の体調が悪くなり、大事を取って2,3月に予定していた学会出張の多くを取りやめたためである。今年度に無理して学会発表を行うよりも、体調が万全な状態で来年度に行った方が遥かに得るものが大きいと考えられるので、未使用額は来年度の出張旅費として使用したい。
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