ケーラー多様体上で非可換ホッジ分解と呼ばれる平坦束とHiggs束との対応が知られているが、非ケーラー多様体上ではまだ非可換ホッジ分解は理解されていない。本研究ではホッジ理論の一般化であるツイスター構造の理論やBott-Chernコホモロジーの理論などを用いて非ケーラー多様体上の非可換ホッジ分解の理論の構築を行った。この研究の重要な応用として、非ケーラー多様体の重要なクラスの一つである佐々木多様体上で非可換ホッジ分解が成立することが証明できた。より具体的には、コンパクト佐々木多様体上では、半単純平坦束と多重安定ベーシックHiggs束が対応が成り立つことが示せた。
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