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2017 年度 実績報告書

測度距離空間の局所構造と位相構造

研究課題

研究課題/領域番号 15K17541
研究機関熊本大学

研究代表者

北別府 悠  熊本大学, 大学院先端科学研究部(理), 准教授 (50728350)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2018-03-31
キーワードRCD 空間 / 正則集合 / 次元 / Gromov-Hausdorff 収束
研究実績の概要

本年度は昨年度に引き続き RCD 空間の局所的な性質, 具体的に言えば正則集合と呼ばれる, 接錐がユークリッド空間と同型であるような点全体の集合の振る舞いを調べた. 前年度ではそのような正則集合が正測度を持つような十分条件を見つけたが, 今年度はさらにこの研究を進めて RCD 空間の次元を定義することに成功した. この次元の定義は多様体の場合は自然な次元の概念と一致し, Ricci limit 空間においては Colding-Naber の定義した次元と一致する.
さらに前年度接錐の次元が一意になるような RCD 空間のクラスを考察したが, これを含むような非崩壊な RCD 空間と呼ばれるものが De Philippis-Gigli により定義された. このような非崩壊な RCD 空間のクラスではここで定義した次元が Hausdorff 次元とも一致することを示した. さらに RCD 空間の "次元の上限" に相当するパラメータ N が整数である時, 彼らは考えている RCD 空間の Hausdorff 次元が N-1 以下であることを示した. この結果を使うと, RCD 空間の Hausdorff 次元がちょうど N-1 であることと, ここで定義した次元が N-1 であることは同値であることもわかる. これは Ricci limit 空間ではすでに知られていたが, 証明の手法は異なっている.
またこの次元が Gromov-Hausdorff 収束に関して下半連続であることも示した. 一般に Hausdorff 次元に関してはこのような半連続性が出るかは難しい問題である. 以上の研究をまとめて論文にし, arXiv にアップロードしてある(arXiv:1708.04309).

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2018 2017

すべて 学会発表 (5件) (うち国際学会 2件、 招待講演 5件)

  • [学会発表] RCD 空間の次元について2018

    • 著者名/発表者名
      北別府 悠
    • 学会等名
      測地線及び関連する諸問題
    • 招待講演
  • [学会発表] The highest dimensional regular sets on RCD spaces2018

    • 著者名/発表者名
      Yu Kitabeppu
    • 学会等名
      Conference on Metrics and Measures
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] 特異空間上の結節領域定理2018

    • 著者名/発表者名
      北別府 悠
    • 学会等名
      淡路島幾何学研究集会 2018
    • 招待講演
  • [学会発表] Ricci 曲率が下から抑えられた正則集合2017

    • 著者名/発表者名
      北別府 悠
    • 学会等名
      2017年度幾何学阿蘇研究集会
    • 招待講演
  • [学会発表] On the measure of the highest dimensional regular set on RCD spaces2017

    • 著者名/発表者名
      Yu Kitabeppu
    • 学会等名
      2017 Chongqing Workshop on Differential Geometry
    • 国際学会 / 招待講演

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公開日: 2018-12-17  

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