(1)2つの確率測度の幾何平均測度の概念を定義した.この概念を用いることにより,任意の2つの確率測度を結ぶ測地線分が一意的に存在することを示した.また,アダマール多様体上の重心写像のファイバーから任意に2点をとるとき,この2点を結ぶ測地線がファイバーに含まれるための必要十分条件が,2点の幾何平均測度もまた同じファイバーに含まれることであることを示した. (2)確率測度全体のなす空間上のα-接続に関する測地線分についての諸性質を明らかにした. (3)調和多様体において「超幾何型」とよばれる新たなクラスを定義し,超幾何型調和アダマール多様体上において,球フーリエ変換論を展開した.
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