動標構を用いた特異点を持つ曲線と曲面についての研究を行いました。ユークリッド空間内の平面曲線で、法方向を決定することができるフロンタルと呼ばれるクラスの曲線に対して、縮閉線と開伸線を定義して、その幾何学的性質と特異点の関係を研究しました。また、ユークリッド空間の単純閉フロンタルが凸であることの特徴付けを、フロンタルの曲率を用いて与えました。更に、特異点を持つ曲面を研究するための新たな枠組みとして、枠付き曲面と呼ぶ概念を定義し、その基礎理論を構築しました。特に、特異点を持たない曲面の基本不変量やガウス曲率・平均曲率に相当するものを定義し、それらの量の性質と曲面の特異点との関係を与えました。
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