研究課題/領域番号 |
15K17552
|
研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
山川 大亮 東京工業大学, 理学院, 助教 (20595847)
|
研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
キーワード | 有理型接続 / モノドロミー保存変形 / フーリエ・ラプラス変換 / フィルター付き有理型接続 / フィルター付きストークス局所系 / リーマン・ヒルベルト・バーコフ対応 / 国際情報交換 / フランス |
研究実績の概要 |
(1) 前年度の実施状況報告書にて報告した,リーマン球面上の generic な不分岐有理型接続に対するモノドロミー保存変形方程式の非自励ハミルトン系としての記述について,得られた成果を論文にまとめ査読付きプロシーディングスにて発表した.これによって可積分系分野においてモノドロミー保存変形のハミルトン力学的描像の理解が更に進むと期待される.
(2) リーマン球面上の有理型接続に対するフーリエ・ラプラス変換が,適切な仮定の下でモノドロミー保存変形方程式の対称性を誘導することを示した論文が雑誌に掲載された.この結果は本研究課題においても有効に活用されている.
(3) Philip Boalch氏(パリ第11大学)との共同研究において,コンパクトリーマン面上のフィルター付き有理型接続,及びフィルター付きストークス局所系を導入し,これらの間の圏同値をリーマン・ヒルベルト・バーコフ対応を持ち上げることによって構成した.また安定フィルター付きストークス局所系をある関係式付き箙の表現と関係づけることで,そのモジュライ空間を準射影代数的シンプレクティック多様体として構成した.従ってフィルター付き有理型接続のモジュライ空間を構成し,得られた圏同値がモジュライ空間の間の複素解析的同型を与えることを示すことができれば,モノドロミー保存変形のパンルヴェ性を一般の状況で確認できる.この成果によってモノドロミー保存変形の幾何学的描像の理解が更に進んだ.
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
28年度以降の研究計画にあった拡大相空間の変形量子化の構成,及び単純型モノドロミー保存変形方程式のハミルトニアンの量子化の構成には部分的に成功している.更に共同研究により得られた成果もあるため,研究がおおむね順調に進展していると自己評価した.
|
今後の研究の推進方策 |
引き続き単純型モノドロミー保存変形方程式の量子化の完成に向けて計画通り研究を進める.また同時にワイル群対称性の考察も行っていく.
|