研究課題
若手研究(B)
本研究では,集合のオイラー数をその有限加法的測度とする構成可能関数や定義可能関数といった代数的な背景をもつ関数の積分変換について,反転公式,像の特徴づけ,応用を中心に研究している.本研究課題の研究成果は3つに大別できる:コンパクトグラスマン多様体の間の構成可能関数の位相的ラドン変換の単射性定理の証明,アフィングラスマン多様体の間の大域的構成可能関数の位相的ラドン変換の諸性質の部分的解明,定義可能関数の位相的ラドン変換の諸性質の部分的な解明,である.
数学(代数解析学)
本研究では位相的ラドン変換と呼ばれる積分変換の反転公式や像の特徴づけを中心としたさまざまな性質を研究している.それは切断面のオイラー数から元の集合を復元するという幾何学的CTスキャンの原理におけるその切断面の様子や元の集合の復元可能性についての研究であるといえる.今回の研究成果は,先行研究とは数学的に異なるさまざまな設定の下で,位相的ラドン変換の反転公式や像の特徴づけについて考察を行い,類似の結果が得られることを明らかにしたものである.