最終年度の研究実績について述べる。最終年度においては、無限に強い引力効果をもつ連立非線形シュレディンガー方程式について、非負のポテンシャルが0に接する場合にポテンシャル関数の極小点の近くにピーク解に関する研究成果を論文として発表した。この研究は東北師範大学のXiaojun Chang教授との共同研究である。また、3つの楕円型方程式から成る連立楕円型方程式において、相互作用項に引力的な項と斥力的な項が混じっている場合の符号変化解について研究成果を得た。この結果は論文として投稿し、現在ジャーナルからアクセプトを得た状況である。この研究はユタ州立大学のZhi-Qiang Wang教授との共同研究である。 研究期間全体の研究実績について述べる。研究期間において7篇の論文を発表した。具体的には、3つの楕円型方程式から成る連立楕円型方程式において、相互作用項に引力的な項と斥力的な項が混じっている場合の解構造を研究した。その結果、正値解の多重存在、正値解の非対称な解の形状、符号変化解の多重存在の研究成果を得た。これらの研究成果は4篇の論文として発表した(1篇はアクセプトの状況)。これらの研究はユタ州立大学のZhi-Qiang Wang教授と一部分はKAISTのJaeyoung Byeon教授との共同研究である。また無限遠で定数に漸近するポテンシャル関数をもつ楕円型方程式において、非線形項の値が0に近いときと非線形項の値が大きいときだけに仮定をする一般的な非線形項のときの無限個解の存在を証明し論文として発表した。この研究は東工業大学の柴田将敬氏との共同研究である。さらに1次元のときはポテンシャル関数の形状によっては非自明解が存在しないことを証明し論文として発表した。 また研究期間全体において、研究集会等で21件(うち5件は国際研究集会)の研究成果発表をした。
|