研究成果の概要 |
主要な結果は以下の 4 点である。(1) 一分子計測実験においてよく用いられる時間平均二乗変位 (TMSD) を, 2 階のテンソル量に拡張した。この TMSD テンソルの相関関数を用いて, 拡散性の「大きさ揺らぎ」と「方向揺らぎ」を同時検出する手法を提案した。(2) このテンソル時系列解析手法を, 4 つの高分子モデルに適用した。その結果, これらのモデルが互いに異なる拡散性揺らぎを示すことが分かった。(3) 拡散係数が 2 状態間で揺らぐランジュバン方程式の解析を行った。(4) 15 種類のブラウン粒子 (マクロ分子) から構成される粗視化細胞質モデルにおける拡散性の低減理論を構築した。
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