今年度は昨年度から始めていた、対称性を持つ二次元エレメンタリー・セル・オートマトンの分類を進めた。それぞれのエレメンタリー・セル・オートマトン(ECA)の特徴を知るためにSingle site seed(SSS)と呼ばれる初期値から描かれる時間発展パターンを観察した。SSSは原点のみ他と異なる状態をとるため、この初期値からはじまるパターンを観察することでECAの特徴を知ることができる。本年度の研究ではその中でも特に対称性のある自己相似様パターンを描く1024個のECAに着目し、研究を行った。 1024個のECAからは少なくとも346種の異なる時間発展パターンが得られることが数値的に分かった。さらにこれらのパターンは特異関数によって特徴付けられることが分かってきている。具体的には、あるECAの時間発展パターンについて、その面積がある特異関数で記述できることが分かった。この結果は、特異関数のパラメータを変えることによって他のECAの生成パターンについても拡張可能であるが、すべての場合に適用可能なわけではない。 適用条件、拡張可能な範囲については今後の課題として研究を進めていく予定である。
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