本研究では樟脳船の集団運動に関する数理モデルについては2つの研究成果を得ることができた。まず、車の渋滞現象を再現するOVモデルとの比較を通じて、樟脳船と車の渋滞現象における類似点と相違点を指摘した。この研究成果をまとめた論文は、既に出版済みである。次に、新たに中心多様体理論を開発することで、偏微分方程式系である数理モデルを常微分方程式系に縮約できることを示した。現在この結果をまとめた論文を投稿中である。また、3変数の興奮系反応拡散方程式系に着目し、パルス波の渋滞現象が起こることを示し、定常解の分岐による進行波解の発生が重要な役割を果たすことを示した。
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