研究課題/領域番号 |
15K17597
|
研究機関 | 松江工業高等専門学校 |
研究代表者 |
福田 尚広 松江工業高等専門学校, 数理科学科, 助教 (50736759)
|
研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
|
キーワード | ウェーブレット / fractional order |
研究実績の概要 |
今年度は,主に以下の研究を行った. 1.4次のStrombergウェーブレットおよびそのSymletタイプのウェーブレットを構成し,数値解析への応用について考察した. 2.fractionalウェーブレットの構成方法を,双直交型ウェーブレットへ応用し,新たなウェーブレット族を導出した.
1については,先行研究によって与えられていたStrombergウェーブレットの構成方法を見直すことで,よりわかりやすく,応用しやすいウェーブレットの導出方法を与えることに成功した.具体的には,MRAの構成方法に沿って,Strombergウェーブレットを導出することに成功した.その結果,数値解析への応用もより容易となり,また,滑らかさや対称性などの諸性質についても,ローパスフィルタやスケーリング関数を用いて調べられるようになった.得られた研究成果は,2018年3月の日本応用数理学会において発表した. 2について,前年度考案したfractional orderウェーブレットの構成方法を,より発展させることに成功した.M.Unserにより,1992年にfractional orderのスプラインウェーブレットが考案されていたが,本研究では,それとは異なるウェーブレット族を構成した.本研究の手法を用いれば,様々な直交ウェーブレットに関するfractional order ウェーブレット族が構成でき,さらに,双直交ウェーブレットに対しても本研究の構成方法が応用可能であることを示した.数値シミュレーションにより,今後,構成したウェーブレットの有効性について調査していく予定である.
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
数値シミュレーションが当初の予定より遅れている.しかしながら,当初予定していなかったStrombergウェーブレットに新たな研究成果も得られており,おおよそ順調に研究が進められているといえる.
|
今後の研究の推進方策 |
研究設備を再整備し,数値シミュレーションを中心に研究を進めていく.新たなウェーブレットの構成についても,随時,研究を推進していく.
|
次年度使用額が生じた理由 |
(理由) 予定していた学会,研究集会に参加できなかったため. (使用計画) 適宜,必要になった消耗品等を購入する予定である.
|