今年度は,4次のStrombergウェーブレットおよびそのSymletタイプのウェーブレットを構成し,数値解析を行なった.Strombergウェーブレットの構成方法については,前年度までの研究によって,MRAを用いた構成方法を明らかにし,滑らかさ,減衰度などの性質についてある程度の結果が得られていた.それら先行研究の結果を用いて,4次のウェーブレットを構成した.構成したウェーブレットは多くのパターンに分かれるが,それらを分類し,Symletタイプに該当するウェーブレットを明らかにすることに成功した.また,数値シミュレーションによって,構成したウェーブレットの実用性についても確認することができた.滑らかさの評価に関しては,具体的にパラメータを用いて表すために評価式の導出に取り組んでいる最中である.関連する研究成果,評価方法を組み合わせることで,評価式が得られると思われ,今後も継続し研究を進めていく.今年度はさらに,Shearletを用いた数値解析と,fractional orderウェーブレットの構成方法の融合について考察した.実際にウェーブレットを構成するまでには至らなかったが,今後も新たなウェーブレット基底を構成を目指し研究を推進していく. fractional orderのウェーブレットの構成方法については,2018年9月に開催された東京都市大学調和解析セミナーにおいて口頭発表している.
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