本研究は、宇宙空間における星や惑星、そして生命の材料となり得る物質の化学的多様性を明らかにすることを目的としている。本計画では、最先端の望遠鏡による天文観測を主軸として、過去の銀河に類似した環境を持つ低重元素量銀河内に存在する星間分子の調査を行った。結果として、有機分子を含む氷の雲に埋もれた原始星(生まれたばかりの星)やホットコアと呼ばれる化学的に豊かな分子ガスに包まれた原始星が世界で初めて我々の住む天の川銀河外に発見され、太陽系近傍とは大きく異なる環境を持つ銀河では、星の材料となる物質の化学組成が異なることが明らかになった。
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