本研究では大質量原始星周囲の円盤を真上から見込むフェイスオン天体の探査とその詳細観測を目指した研究を行った。まず豪州の電波干渉計ATCAを用いた観測を行い、10天体の候補のうち5天体がフェイスオン天体の候補であることを発見した。次に最も有力な候補であったG353に対して ALMAによる高分解能撮像観測(50ミリ秒角)を実施し、半径250AU程度の非常にコンパクトなフェイスオン円盤を分解撮像することに成功した。円盤の面密度分布には大きな偏りがあり、周囲の分子エンベロープから流れ込むガスによって円盤に質量が蓄積され、自己重力不安定を起こしている可能性が示唆された。このような例は世界で初めてである。
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