研究課題
本研究はセンチ波メートル波の大型計画SKAに向けて、宇宙磁場の研究を進めるものである。特に宇宙大規模構造の磁場に着目し、その発見にむけた偏波観測シミュレータの開発を進める。当該年度においては、ファラデートモグラフィー技術のさらなる開発と、介在銀河のモデル化を達成する予定であった。上半期では、介在銀河のモデル化について、前年度に投稿した共著論文のレフリーコメントを踏まえて、さらに評価法・近似式を検討した。結果、以前よりもさらに現実的なモデル化をすることができた。研究成果は共著論文2件としてひきつづき投稿中である。また銀河磁場のファラデートモグラフィーの特性について準解析的なモデルを使って調べ、共著論文1件をApJ誌に掲載した。ファラデートモグラフィーを具体的に観測データに適用し、視線上の複数の成分を判別することにも成功した。研究成果は共著論文1件としてPASJ誌に採録決定した。下半期では、ファラデートモグラフィーにスパースモデリングの技法を取り入れる新しい試みを行った。結果としてスパースモデリングはファラデートモグラフィーに有効に働くことが分かり、研究成果は日本天文学会にて発表した。関連する2本の共著論文を準備中である。また、本事業にて構築した偏波観測シミュレーターを使って、特に光源がもつRMの宇宙論的進化をパラメータ化して、観測量にどのように違いが現れるか調べた。結果、典型的なRMを考えている範囲では、むしろパラメータの宇宙論的進化にあまり依らないことが分かった。ただしその理由については究明できておらず、成果をまとめるには至っていない。最後に、本事業の成果を含めた宇宙磁場に関する招待レビュー論文1件をPASJ誌に掲載した。
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (4件) (うち国際共著 3件、 査読あり 4件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件)
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