我々は、望遠鏡口径で決まる回折限界を超える角度分解能をもつ赤外線天体撮像装置の実現を目指し、フォトニック結晶スーパーレンズの開発を進めた。波長10ミクロン帯用のフォトニック結晶スーパーレンズについては、フォトレジストSU-8を用いた2光子吸収レーザーリソグラフィ装置による成形方法を選定し、理論設計と試作を試みた。設計においては、フォトニック結晶スーパーレンズの出射後に、入射前よりもビーム幅が小さくなる解を示すことができた。試作については、理論設計モデルの形状を十分な精度で再現するサンプルを加工できた。ただし設計、試作のいずれについても実用化に向けて課題が残されており、更なる研究が必要である。
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