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2015 年度 実施状況報告書

分子ガスおよびダストの観測によるガンマ線バースト発生環境の解明

研究課題

研究課題/領域番号 15K17616
研究機関国立天文台

研究代表者

廿日出 文洋  国立天文台, チリ観測所, 特任助教 (70719484)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2018-03-31
キーワードガンマ線バースト / 銀河 / 星形成 / 分子ガス / ダスト
研究実績の概要

本研究の目的は、ロング・ガンマ線バーストが発生する環境の一般的な描像を明らかにすることである。ロング・ガンマ線バーストは、短時間にガンマ線が宇宙から観測される現象で、巨大な星が一生を終える際の大爆発に起因すると考えられている。ロング・ガンマ線バーストを起こすような大質量星は、星形成が活発な領域に存在し、その周囲には星の材料である分子ガスが豊富に存在していると予想されている。そのため、分子ガスの観測を行うことは、ロング・ガンマ線バーストの発生環境を探る上で不可欠である。
2015年度、世界最高性能のミリ波・サブミリ波干渉計であるアルマ望遠鏡を用いてロング・ガンマ線バーストが発生した母銀河の観測を行った。予定されていたGRB980425母銀河の観測が実行されなかったため、別で提案していた母銀河の観測を行った。提案していた12天体のうちこれまでに3天体の観測が行われた。現在、観測所によってデータのチェックが行われている段階で、データの準備が整い次第解析を行う。解析には専用ソフトウェアであるCASAを用いる。この間、CASAを用いた解析の準備段階として、アルマ望遠鏡で取得されたデータの解析を行った。対象はロング・ガンマ線バースト母銀河と同様に活発な星形成活動を行っている遠方銀河であり、ロング・ガンマ線バーストと星形成活動をとの関連を研究する上でも重要な天体である。2015年度はその研究成果として査読付き論文を2編出版した。また、これまで行ってきたロング・ガンマ線バースト母銀河の分子ガス研究の成果について、2015年8月にアメリカ合衆国で開催された国際天文学連合総会において口頭発表を行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

予定していた天体の観測が実行されなかった一方、他の複数の天体の観測が実行された。これによって、本研究を進行させることが可能である。データはまだ届いていないが、この状況についても平成27年度の研究実施計画では考慮している。データが届かなかった間は、アルマ望遠鏡で観測されたデータを解析することにより、データ解析環境を構築することができたため、現在の進捗状況としてはおおむね順調に進展していると判断できる。

今後の研究の推進方策

今後、アルマ望遠鏡で観測されたデータが届き次第解析を行う。まだ観測が行われていない天体については観測が実行されデータの準備ができ次第解析を行う。また、アルマ望遠鏡の第5期観測提案において他のロング・ガンマ線バースト母銀河の観測提案を行い、サンプル数を増やしていく。

次年度使用額が生じた理由

アルマ望遠鏡で観測されたデータが届いておらず、電子記録媒体の使用容量が予想より少なくなり、翌年度予算と合わせて電子記録媒体を購入することにしたため。

次年度使用額の使用計画

アルマ望遠鏡で観測されたデータを保存するための電子記録媒体を次年度予算と合わせて購入する。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2015

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 謝辞記載あり 2件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 3件)

  • [雑誌論文] High-resolution ALMA observations of SDP.81. II. Molecular clump properties of a lensed submillimeter galaxy at z = 3.0422015

    • 著者名/発表者名
      Hatsukade, B., Tamura, Y., Iono, D., Matsuda, Y., Hayashi, M., Oguri, M.
    • 雑誌名

      Publications of Astronomical Soc of Japan

      巻: 67 ページ: 93-1, 93-7

    • DOI

      10.1093/pasj/psv061

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] Optical-Infrared Properties of Faint 1.3 mm Sources Detected with ALMA2015

    • 著者名/発表者名
      Hatsukade, B., Ohta, K., Yabe, K., Seko, A., Makiya, R., Akiyama, M.
    • 雑誌名

      Astrophysical Journal

      巻: 810 ページ: 91-1, 91-8

    • DOI

      10.1088/0004-637X/810/2/91

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [学会発表] High-resolution ALMA observations of SDP.81: Molecular clump properties of a lensed submillimeter galaxy at z = 3.0422015

    • 著者名/発表者名
      Bunyo Hatsukade
    • 学会等名
      EA ALMA Science Workshop 2015
    • 発表場所
      大阪府立大学I-siteなんば(大阪府、大阪市)
    • 年月日
      2015-12-09 – 2015-12-09
    • 国際学会
  • [学会発表] ALMAによるSDP.81の高分解能観測 II. - 重力レンズされたz=3.042サブミリ波銀河の分子ガスクランプの性質2015

    • 著者名/発表者名
      廿日出文洋, 伊王野大介, 松田有一, 林将央, 田村陽一, 大栗真宗
    • 学会等名
      日本天文学会2015年秋季年会
    • 発表場所
      甲南大学(兵庫県、神戸市)
    • 年月日
      2015-09-09 – 2015-09-11
  • [学会発表] Gamma-ray bursts from dusty regions with little molecular gas2015

    • 著者名/発表者名
      Bunyo Hatsukade
    • 学会等名
      The 29th International Astronomical Union General Assembly
    • 発表場所
      Honolulu, Hawaii, the United States of America
    • 年月日
      2015-08-03 – 2015-08-14
    • 国際学会
  • [学会発表] Gamma-ray bursts from dusty regions with little molecular gas2015

    • 著者名/発表者名
      Hatsukade, B., Ohta, K., Endo, A., Nakanishi, K., Tamura, Y., Hashimoto, T., Kohno, K.
    • 学会等名
      Gas, Dust, and Star-Formation in Galaxies from the Local to Far Universe
    • 発表場所
      Chania, Crete, Greece
    • 年月日
      2015-05-25 – 2015-05-29
    • 国際学会

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公開日: 2017-01-06  

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