研究課題
当初の計画では、平成29年度に画像認識による自動もしくは半自動の太陽フレア予測手法のプロトタイプモデルの開発と検証を行うことを予定していたが、平成28年度中に想定した以上に進展し、その手法開発と論文出版を完了することができた。そのため平成29年度は、さらなる精度向上のためのモデル改良を行うことで、予報運用に則した条件でも十分な予測精度が得られるようなモデル再開発と、いまだ統一されていない世界標準の予測評価手法の検討を行った。具体的には、今まで試した3つの機械学習の他、ブースティング手法(Extra Gradient Booster, Gradient Boosted Trees)や深層学習手法(Deep Neural Network)を用いた予測など、新手法を用いた開発により予測精度の向上を試みた。また時系列交差検証を行うことで、予報運用に近い形式での予測精度評価を行った。その結果、予報運用形式では深層学習手法を用いた予測モデルが最も予測精度が良いことを示すことに成功し、その結果について科学論文誌アストロフィジカル・ジャーナル(The Astrophysical Journal)に論文投稿して受理された。また平成28年度の出版論文については、IAUシンポジウム、SHINE conference、APSPM2017といった宇宙天気・太陽物理の国際学会で発表を行った他、NICT一般公開や宇宙天気ユーザーズフォーラム等での一般向け講演、一般向け雑誌記事の執筆も行った。さらに、太陽フレア予測国際ベンチマーク研究会にも参加し、予測評価手法と結果について議論を行った。2017年9月には巨大太陽フレアが発生してニュースにもなり、このフレアの予測可能性についても議論した。さらに現在、開発した太陽フレア予測モデルのリアルタイム運用化に向けた準備を行っている。
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すべて 雑誌論文 (5件) (うち国際共著 1件、 査読あり 5件) 学会発表 (18件) (うち国際学会 10件、 招待講演 6件) 図書 (2件) 備考 (2件)
The Astrophysical Journal
巻: 858 ページ: 113 - 120
https://doi.org/10.3847/1538-4357/aab9a7
Proceedings IAU Symposium No. 335, 2017 (C. Foullon & O. Malandraki, eds.), Space Weather of the Heliosphere: Processes and Forecasts
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in print
Monthly Notice of Royal Astronomical Society
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プラズマ核融合学会誌
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電子情報通信学会誌 (ニュース解説)
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https://academist-cf.com/journal/?p=4717
https://mainichi.jp/articles/20171102/ddm/016/040/008000c