本研究では暗黒物質探索の為の低エネルギー中性子線源の開発を行った。今回制作したベリリウムセラミック(BeO)とイットリウム(Y88)を組み合わせた線源では、単色152keVの中性子が発生し、質量が10GeV程度の暗黒物質の場合と同様な原子核散乱による信号が得られる。 この線源を制作し、ヘリウム3中性子カウンターによる中性子検出や暗黒物質探索実験であるXMASS実験検出器での線源のデータ収集を行った。実験の都合上目標に掲げていた発光効率や発光時定数の評価をするのに十分なデータ量は得られなかったものの、原子核散乱らしい信号を観測することは達成した。
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